想いよひとつになれを紐解く~今振り返るラブライブサンシャインの楽曲~
皆さんお久しぶりです。またかなり間が空いてしまいましたがどうかお許しください(汗)合宿やら大学の履修登録やガイダンスで中々時間が取れなくて(泣)そして私先日、斉藤朱夏さんのFCイベントに行ったのですが、もうなんか幸せすぎて涙が出てきちゃいまして。可愛いし、面白いし、最後の言葉には泣かされてしまいました。とにかく最高の時を過ごさせていただきました。
では!
本題に移りましょう。今回の主役は...
こちらの「想いよひとつになれ」です。
大号泣案件の楽曲です。Aqours唯一の8人曲となり、振り付けや衣装に梨子を思う演出がされており、Aqoursはどこにいても1つというのが溢れ出ています。今後のAqoursの成長を占う上でも、とても重要な曲となっています。
今回、相当長くなりますので予めご了承ください。
では早速歌詞を見ていこうと思います。
「想いよひとつになれ(想いがひとつになるとき)
このときを待っていた」
この「想いよひとつになれ」は第11話「友情ヨーソロー」の流れから披露される曲ですが、それ以前のアニメの話の出来事も大きく関与してきます。
この
「想いよひとつになれ(想いがひとつになるとき)
このときを待っていた」
の部分はアニメでの流れの結果報告のようなものです。結果から言うと
「真にAqoursが完成した」
という事です。
これまでの話で1年生は花丸&ルビィ+善子。3年生は果南&鞠莉+ダイヤ。そして今回の話では千歌&曜+梨子という構成が中心です。この「想いよひとつになれ」が披露されるまでに、1年生と3年生で2人+1人という形でそれぞれが成長し、「ひとつ」になる姿を描いてきました。そして最後は2年生の番です。この2年生の話が終わった時、Aqoursは本当の意味で遂に完成するのです。
1-1. 渡辺曜
ここから2年生のお話の始まりです。2年生は最初から中心的存在で、既にひとつにまとまってるように見えます。しかし第8話「くやしくないの?」からお気づきの人もいると思いますが、2年生の中での気持ちのすれ違い、特に千歌と曜を中心に浮き彫りになっていきます。
千歌と曜は小さい頃からの幼馴染です。お互いがお互いの事をとても大切に思っています。しかしその大切にする気持ちが大きすぎるあまり、相手に中々本当の気持ちを伝えきれずにいました。
特に曜に至っては今まで千歌を鼓舞していたやり方が通用せず、千歌への接し方に悪戦苦闘してしまいます。これが1期8話「くやしくないの?」で顕著に描かれています。
曜は何でもそつなくこなし、高飛び込みという個人競技においてナショナル級の実力を兼ね備えています。この高飛び込みにおいて曜は、失敗した時でも1人で解決策を地道に探して壁を乗り越えてきたのでしょう。いくらコーチなどがいたとしても、あくまで個人競技なのですから。(筆者も陸上競技をやっているのでよく分かります。)
そんな曜は、失敗した人を励ます方法を知らなかった。今まで挫折に対して1人で向き合ってきた(想像ですが)曜にとって、挫折している人になんて声をかけていいのか分からないというのが本音だったのでしょう。
だからこそ迷いの中で曜は
「千歌ちゃんは、くやしくないの?」
と千歌の本当の気持ちに気付けずに、ド直球な言葉を投げかけてしまったのだと思います。または、気付いてはいたけど千歌の本音を引き出したくてこのような言葉を投げかけたのかもしれません。
そこに梨子という存在が現れました。梨子は東京でピアノを演奏出来ず、それがトラウマになってしまったという挫折体験を持っています。故に彼女は、気持ちが折れかかっている千歌の気持ちを理解し、寄り添うことが出来たのです。
それが曜の悩みになっていました。決して梨子を憎んだりはしていない。むしろ大好きだったのです。しかし嫉妬してしまっていた。自分の方が長く千歌と一緒にいたのに、梨子の方が千歌の気持ちをすぐに汲み取って寄り添うことが出来る。曜にはそれが出来なかった。
その差が自分の存在価値に疑問を投げかけさせ、自分は用無しなのではないかと思わせてしまったのです。
1-3.高海千歌と渡辺曜
一方、千歌にも曜に対する心の取っ掛かりがありました。これはアニメの内容そのままになるのですが、小さい時から仲が良かった2人。曜は様々な誘いを千歌にしていたと思います。アニメで描かれていたのは中学の部活選びの場面。
曜は水泳部を選びました。しかし曜が千歌に部活を聞くと、千歌は答えられずこのシーンは終了します。曜は恐らく千歌も水泳部に誘いたかったのでしょう。
対する千歌も、本当は曜と一緒に何かをやりたかった。しかし千歌の中で「これだ!」というものが見つからず、どうしても曜の誘いを受けられなかったのです。
でも千歌が大好きな友達の誘いを何故断るのか?それは1期3話の曜のセリフに答えがあります。
「中途半端が嫌いなんですよ。やる時はちゃんとやらないと気が済まないっていうか」
このセリフの通りです。中途半端な気持ちでは誘ってくれた曜にも申し訳ないし、そして何より自分が許せない。そんな思いがあるからこそ曜の誘いを断っていたのです。
1-4. 譲れない想い、切れない友情
今までの過程を振り返ってきて気付いたと思いますが、この2人は本当にお互いが大好きなのです。お互いがお互いの事を誰よりも知っています。
そして2人は梨子がピアノコンクールに出場する為に東京に行ったのをキッカケに、壁にぶち当たります。
梨子のポジションを埋める為に曜が起用されましたが、千歌とのステップが中々上手く行きません。曜は、千歌は自分とやるのはやだったから息が合わないのではないかと思ってしまいます。しかし曜が梨子のテンポで合わせると、上手くいってしまったのです。その事が彼女の中で、よりその想いに拍車を掛けてしまったのです。
更に千歌と梨子が自分以上に親しくしてる場面を見て、困惑してしまいます。そこに助け舟を出したのが3年生の鞠莉です。
彼女は自分の体験から曜と千歌に何が起こっているか気付いた唯一の人物です。鞠莉の過去の心残りは、大好きな人に自分の本当の気持ちを伝えなかったことです。鞠莉はその事を曜に伝え、自分のように後悔して欲しくないと背中を押します。
それでも中々伝えるのは難しいよね(笑)
しかし梨子の電話をキッカケに、曜は千歌の本当の気持ちに気付きます。千歌の本当の気持ち、それはとても単純で素直な想いでした。これは梨子との電話で明かされたまんまの台詞です。
「あのね、千歌ちゃん前話してたんだよ。
曜ちゃんの誘い、いつも断ってばっかで、それがずっと気になってるって
だから、スクールアイドルは絶対一緒にやるんだって
絶対曜ちゃんとやり遂げるって」
千歌は、曜に梨子のステップで踊るのではなく、曜自身のステップで踊ってほしいと伝えます。それこそが曜に必要で、曜を救えるただ1つの言葉だったのです。
梨子の代わりではない、誰かの代わりではない。曜は曜でいて欲しい、渡辺曜がAqoursには必要なんだと。千歌はそれを伝えたかったのです。
大好きな人からの言葉。もうこれで曜に欠けていたものはなくなりました。これで遂に2年生も1つになれたのです。
ここまでが非常に長く、読みづらさを感じた方もいると思います。しかし、この「想いよひとつになれ」というフレーズは、簡単に解釈できるほど軽い言葉ではありません。このフレーズをAqoursが歌えるようになるまでに、何を感じてきたのか、どのように成長してきたのか。それを少しでも感じて欲しかったのでこのワンフレーズにこの量を割きました。
ではAメロに入りましょう。
「ふと気づくと 重なり合うよ
一途に未来を呼ぶこころ
ふるえてる手をにぎって行くんだよ」
2-1. Aqours
この部分の鍵は2列目の
「一途に未来を呼ぶこころ」
だと考えています。「未来を呼ぶこころ」とは一体どういう意味なのでしょう。
突然ですが皆さん、未来を呼んでいるAqoursメンバー、もしくは自分を想像してみてください。そうすると少し分かるかもしれません。この未来を呼んでいる瞬間、呼んでいる未来を手繰り寄せるために全力でガンバルビィするはずです。そう、つまり
未来を呼ぶこころ=輝き
と同意義となるのです。これまでの1年生、3年生加入回、そして今回の「シャイ煮はじめました」から「友情ヨーソロー」を振り返ってみても、全ての回で共通していることがあります。
それは9人全員が「スクールアイドルをやりたい」「輝きたい」と願っていることです。これはこれまでの1話〜11話を見返していただければ分かると思いますが、9人それぞれが歩んできた道のりやスクールアイドルを始めるきっかけは違えど、心の中で願っている想いは無意識の内に重なっていたのです。
つまりこれこそが
「ふと気づくと重なり合うよ
一途に未来を呼ぶこころ」
の中身と言えます。
そして
「ふるえてる手をにぎって行くんだよ」
これはこのパートを歌っているメンバーを見れば明らかでしょう。
そう、ルビィと花丸です。この2人はどちらもスクールアイドルをやって輝きたいという想いを持っているにも関わらず、周りの人間を気にしたり自分に自信が持てなかったりと、心に不安も持っており、それが壁となっていました。
しかし2人とも、花丸はルビィを、ルビィは花丸の背中を押す形で1歩を踏み出しスクールアイドルになりました。
これはこの2人に限ったことではありません。3年生は過去と向き合う怖さや不安、2年生は新しいことを始める事に対する不安を抱えています。しかし信頼できる仲間と手を取り合うことで乗り越えてきました。この歌詞にはこれまでも、そしてこれからも何があっても9人で手を取り合って進んでいこうというメッセージが込められているのです。
「すれ違ったあとで 同時に振り向いた
ほらね本当は 一緒だったよ気持ちはね」
この最初のフレーズを歌ってるのは果南と鞠莉です。もうこれだけで分かりますよね。でも一応。
2-2. 絆
この部分を歌うのにこの2人の右に出る者はいないでしょう。旧Aqoursとして共に活動していた2人ですが、様々な事が要因ですれ違い、解散してしまいます。しかし2人、そしてダイヤを含めスクールアイドル、そして3年生それぞれへの想いは変わりませんでした。
そしてそれはその後のフレーズを歌っている千歌と曜にも同じことが言えます。
たとえ1度や2度すれ違ったとしても、お互い本音をぶつけ合えば、気持ちはずーっと繋がっていたと気付ける事を彼女たちは身をもって知っているのです。
「同時に振り向いた」
これは各メンバーそれぞれが皆と同じ気持ちを自分も持っていたと気付いた瞬間なのでしょう。
そして彼女たちの共通している気持ち。それは何度も言いますが、
輝きたい
もうこれに尽きると思います。
「なにかをつかむことで(夢にもいろいろあるから)
なにかをあきらめない(そうでしょ?)
想いよ ひとつになれ
どこにいても 同じ明日を信じてる」
3-1. 2つの選択肢
サビの1番最初のフレーズ。
「なにかをつかむことで(夢にもいろいろあるから)
なにかをあきらめない(そうでしょ?)」
このフレーズは筆者の心にとても響くものがありましたし、楽曲、アニメを通してみても非常に重要な箇所だと考えています。
私たちは時に2つの選択肢の内、1つを手放そうとしてしまう時があると思います。それは彼女たちの世界にも確実に存在していました。
まずはルビィ。ルビィはスクールアイドルに憧れ、スクールアイドルをこよなく愛しています。一方でスクールアイドルに対して苦い思い出があるお姉ちゃん(ダイヤ)の事もとても大切に思っています。
しかしルビィはダイヤの事を思うあまり、大好きなスクールアイドルへの思いを心の奥底に封印していました。
続いてルビィの親友の花丸。彼女もルビィと状況が似ています。大好きなルビィの夢を叶える事ばかり考えてしまい、本当は自分もスクールアイドルをやりたいという「自分の夢」を、知らず知らずのうちに捨てようとしてしまっていました。
そして堕天使ヨハネこと善子。彼女は小さい頃から堕天使キャラにドップリと浸かり、高校生になってそのような自分に困惑していました。
そして彼女もまた周りの目や世間一般の常識を気にして、自分の本当に好きなこと、本当の自分を手放そうとしてしまいました。
3年生の果南とダイヤ。3年生はお互いがお互いの事を大好きすぎるほどに大切に思っています。
その気持ちが大きすぎる故にすれ違っていまうのですが、果南とダイヤは鞠莉の将来を考えすぎるあまり、今自分が3人でやりたい事や思いを押し殺してしまいます。
そして鞠莉。鞠莉も3人でスクールアイドルを続けたいと思い続けていました。しかし親や先生、そして何より旧Aqoursの解散により留学することになってしまいます。
結局やや強引に留学させられ、自分の将来へのチャンスを手にした代わりに、彼女もまた自分が本当にやりたいことや果南とダイヤとの高校2年間の大切な生活を手放すことになってしまいます。
筆者の推しです、曜。彼女は千歌に誘われスクールアイドルを始めました。千歌とやっと何かを一緒にできる喜びと、スクールアイドルの楽しさにのめり込んでいきます。
しかしメンバーが増え、千歌とすれ違った時にはAqoursとして活動する事と引き換えに、千歌と実は繋がっていた願いを諦めようとしてしまいました。
そして梨子。元々彼女はピアノをやっていましたが、コンクールでの失敗を気にピアノと距離を取ってしまいます。しかし千歌やスクールアイドル、Aqoursと出会うことで少しずつピアノへの情熱も取り戻していきます。それと同時にAqoursへの想いも強くなっていきます。
そんな梨子にピアノコンクールの案内が来ますが、その日はラブライブ予備予選と被っていました。梨子は悩んだ末にラブライブを選びます。Aqoursの存在が大きくなっている梨子と思えば当然の結果かもしれません。
しかしこの選択に千歌は浮かない顔をします。Aqoursを選んだのにどうして千歌はこのような反応をしたのでしょうか。
それは1期2話の千歌の台詞から読み取ることができます。
「笑顔になって変われたら、また弾けばいい。諦めることないよ」
これは千歌が梨子をスクールアイドルに誘い、梨子がピアノを諦める訳にはいかないと言った時の返答です。
そう、この時千歌は既に答えを出していたのです。スクールアイドルをする事でピアノを諦めて欲しくない。それは時が進んだ千歌の中にもしっかりと残っています。
「思い出したの、最初に梨子ちゃん誘った 時のこと。また前向きにピアノに取り組めたら、素晴らしいな、素敵だなって… そう思ってた。」
ピアノも諦めていなかった梨子は千歌の後押しもあり、ピアノコンクールへの出場を決意したのです。
梨子も千歌の後押しがなければスクールアイドルとして活動する代わりに、梨子の本来の「やりたかったこと」のピアノを手放すことになっていました。
千歌はずっと思っていたのです。何かを叶えるために、他の何かを諦めて欲しくない。果南やダイヤが片方をとる選択をして後悔してしまったのを知った千歌にとって、これは本当に大事にしていたことだと思います。
これは少し欲張りなのかもしれません。しかし、大好きな何かをするために、他の大好きな何かを捨てることは自分にとってのかけがえのない財産を失うことになります。夢は決して数を決められている訳ではありません。何個持っていてもいいのです。どんな事に対してもまず諦めず、全力でトライして欲しい。そんなメッセージを感じるのです。
そしてこのような経験をしたメンバーがいるからこそ、千歌はそれを歌詞にして表現して私たちに届ける事が出来たのです。
どこにいても 同じ明日を信じてる」
3-2. 想いよひとつになれ
この曲は前述したように8人で披露されています。欠けている梨子を意識した歌詞なのは間違いないですが、それだけではない気がします。
これは完全に想像ですが、遠くない未来には3年生の卒業があります。離れ離れになっても「想いはひとつ」という事にもこの歌詞では触れているのかもしれません。
この歌詞は恐らく以前のAqoursでは歌えなかったと思います。様々な苦難やメンバー間の問題を乗り越え、遂に想いがひとつになったAqoursだからこそ歌える、現時点でのAqoursの集大成かつ新たなスタートの曲なのです。
4. 想いはひとつ
そして最後に皆さん、気づいてる方もいると思いますが、この「想いよひとつになれ」には声ではない梨子の形がしっかりと刻まれています。
この曲は梨子が完成させた曲、「海に還るもの」をアレンジしたものになっています。そしてこの「海に還るもの」は梨子の転機となるシーンでアニメ内に登場していました。
1回目は1期2話で2年生3人でダイビングをするシーン。ここで梨子は海の音を聴くことになりますが、そこで流れた曲が「海に還るもの」なのです。
そして2回目は1期10話のこのシーン。千歌が梨子と共に学校のピアノで曲を披露をするシーンです。ここで梨子が完成させた曲を千歌に披露するのですが、この曲が「海に還るもの」になります。
そしてこの「海に還るもの」と「想いよひとつになれ」のメロディー。実は重なっているのです。冒頭と終わりの振り付けも梨子のピアノを彷彿とさせる振り付けですよね。
同じ会場でパフォーマンスしていなくても、曲の中に梨子を感じますし、まさにどこにいてもAqoursは1つというのをヒシヒシと感じます。
いかがでしたか?この「想いよひとつになれ」は大好きな曲だけあって、いつもより少し気合いをいれて考察していきました。今までの考察と比べるとかなり長くなってしまったことをお詫び申し上げます。この考察を読んでもう一度「想いよひとつになれ」を聞いてみてください。今までとはまた違う聴こえ方がするかもしれませんよ。
では次回は1期最後の曲、MIRAI TICKETです。