Aqours 5th LoveLive! Next SPARKLING!! ~5thの特殊性を解く~
皆さんこんにちは。先週末行われた「Aqours 5th LoveLive! Next SPARKLING!!」は国内外合わせて12万人を動員し、大成功となりました。
そして今回のライブでは、かなり構成が今までのライブと違っていたことに気付いた人も多かったのではないでしょうか?
MC少なめ、テンポが良い流れ、新着情報無し、メンバーからのコメントのタイミングなど様々な箇所において今までと違っていました。
ではなぜ今回のライブはそのような構成になったのか。それを今回は考察していきたいと思います。
〜劇場版の存在〜
今回のライブは皆さんご存じの通り、劇場版をコンセプトにしたライブでした。この劇場版という存在がとても重要になってきます。
少しだけ前回の「ラブライブ!The School idol Movie」と「ラブライブ!サンシャイン!!The School idol Movie Over the Rainbow」を比較してみましょう。
まずはμ'sの劇場版。皆さんご存じの通り、μ'sは9人じゃないとμ'sじゃないという答えを出し、アキバドームでのライブでμ'sは終わりを迎えました。
この時の映画や挿入歌のタイミングは、非常に歯切れがよかったと思います。映画の流れは大きく3つに分けられたり、挿入歌(特にAngelic AngleとSUNNY DAY SONG、僕たちはひとつの光)は、その区切りのタイミングで披露されていました。
その理由としては、最後にμ'sをおしまいにするという大きな区切りに繋げるためです。
そのためμ'sの映画は歯切れが良い流れになったのです。
一方でAqours。こちらの映画の終わり方としては、3年生が卒業してもAqoursは続けていくというものでした。
この映画はμ'sとは対照的に、非常にテンポがよく、映画全体が1つの流れのようでした。挿入歌もμ'sの時のような区切りではなく、物語の一部として組み込まれていました。流れの中に挿入歌があったのです。
やはりこちらも理由としては、Aqoursは続いていくというエンディングに繋げるためでしょう。
μ'sは、Aqoursのような流れでは、あのようなエンディングは迎えられない。一方Aqoursも、μ'sのような区切りでは、あのようなエンディングは迎えられなかったのです。
〜運営の仕掛け〜
以上のことを踏まえた上で、今回の5thライブを見ていきましょう。
先に述べたように今回は、非常にテンポ良く進行していきました。ただ、Twitterなどを拝見しているとやはり
「MCが少なくてちょっと残念」
「もっとAqoursの話を聞きたかった」
「新着情報なかったのは寂しいな」
などの声が見られました。
確かにそれは正しくて、決して否定する気はありません。しかし今回のライブでは、そのような物が必要なかったのだと思います。
私個人的な見解として、今回の5thに向けて様々な布石や試験的ライブがあったのだと思います。
1. アジアツアー
去年の11月の4thライブで発表されたアジアツアー。3月23日の上海公演を皮切りに、約1ヶ月間行われました。このライブは、アニメ1期フィルムコンサートでした。
アニメ1期の流れの中で挿入歌を披露していくスタイルで、こちらもMCなどはほとんどありませんでした。
内容的には1stライブと似た曲目でしたが、明らかに雰囲気が違います。
もちろん運営側は、アニメ1期を振り返りながら新たなファンも参加しやすいライブ、アジア圏の為の1期振り返りライブ、1stとの差別化をするためにこのような構成にしたとこもあります。
しかし一方で、もう1つ狙いがあったのではないかと思います。それは、
5thライブの為の情報収集
5thとアジアツアーの似ている点は、MCの少なさ、テンポの良さです。恐らく5thでその流れを確実に成功させるために、アジアツアーで新たな試みとして披露したのではないでしょうか。
意見はアンケートで収集出来ますし(あったかちょっと覚えてないです)、無かったとしてもTwitterなどで飽きる程意見は見ることができます。
実際にかなりの賛否両論の意見がネット上には流れていました。そのため、情報収集としては十分過ぎる結果だったでしょう。
もちろんこれは一個人の勝手な妄想なので、全く関係ないかもしれませんが、可能性はあるという事です。
2. ラブライブ!シリーズ 9周年発表会
2つ目はこちら。5thライブの1週間程前に生放送された、ラブライブ!シリーズ 9周年発表会です。
こちらの生放送では頭が追いつかない程、豪華な情報がたくさん発表され、筆者も非常に興奮しました。
しかし同時に多くの人が疑問を持ったと思います。
なぜこのタイミングなんでしょう?
9周年で祝うにしても、発表会を5th後に持ち越して、ライブではAqoursの発表を、発表会ではμ'sや虹ヶ咲学園などの発表+Aqoursの新情報を改めて、でも全く問題なかったはずです。
しかもAqoursの5thライブ直前で、熱が高まっている時にですよ。疑問に思いませんか?
この時点で、5thで新着情報は無いのでは?という予想もありました。しかし、それでも何かしら小さな情報でもあるだろと皆思ってただろうし、私も思っていました。
しかし5thでの新情報発表は本当に無かった。
こんな人↑もいたでしょう(笑)しかし、5thライブを完璧に成功させるためには、新着情報発表すらも削る必要があった。だからこその、あのタイミンクで新情報を全て吐き出したのでしょう。
ではなぜそこまで大掛かりなことをしたのか?
それは
5thライブを1つの物語として完成させたかった
これだと思います。別にこれまでのライブが物語ではなかったのかと言われれば、そういう訳ではありません。
確かにこれまでの1stや3rdなどのアニメをベースとしたライブでも、物語性は重視されていました。
しかしアニメというのは
アニメ1話 → 1週間 → アニメ1話・・・
これが基本形です。必ず話の間に空白の時間がでます。細かいことを言えば、例え一気見しても、OPやEDが入り完璧な1つの流れにはなりません。
皆さんだって、何話が良かった、いや何話だろ〜(1期11話と2期11話だろ)、みたいな話しますよね?それですよ。私たち視聴者はあくまで、1つの大きな物語を一区切り一区切りとして捉えているのです。
しかし映画というのは、CMも入らない、1話2話のように区切られない、映画1本が1話なのです。そのため、私たちは映画の感想として全体の感想を述べます。このシーンが良かったとか言っても、それはあくまで1話の中の話に過ぎません。
特に今回のAqoursの劇場版ではそれが顕著でした。最初の方に述べたように、Aqoursは映画全体が完全に1話として流れる印象で、μ'sの劇場版と比べると区切りがとても曖昧でした。
5thライブはそのような劇場版の雰囲気を再現するために、最低限のMCや幕間、関心がライブの雰囲気から移ってしまう新着情報無しに至ったのでしょう。
〜セトリから見る5th〜
では、今回のセトリはどうだったか?
(こちらのブログにセトリを載せています↓)
遂に来た!5thライブ!~Day1編〜 - lovelive_GTのブログ /#lovelive #lovelive_sunshine #Aqours #Aqours5thLIVE https://t.co/4wN99kShe8
— さわちゃん (@nat_UYK0417) 2019年6月8日
遂に来た!5thライブ! ~Day2編~ - lovelive_GTのブログ /#lovelive #lovelive_sunshine #Aqours #Aqours5thLIVE https://t.co/btPkENmfuC
— さわちゃん (@nat_UYK0417) 2019年6月10日
今回のセトリで特筆すべきは、ライブの定番曲である「君のこころは輝いてるかい?」「未熟DREMER」「ユメ語るよりユメ歌おう」「勇気はどこに?君の胸に!」がなかった事にあるでしょう。
これらの曲は全てアニメに登場した曲。劇場版のライブの流れでは、必要ではありませんでした。
では今回、こちらもアニメに登場した2曲「青空Jumping Heart」「未来の僕らは知ってるよ」はなぜ披露されたのか。
こちらの2曲はどちらもアニメのOPにあたります。「青空Jumping Heart」は「僕らの走ってきた道は…」の2曲後に披露されました。僕道は、これまでのAqoursを振り返る曲でもあります。その中で、青ジャンを後に披露することにより、Aqoursの0からの成長をより感じやすくするために組み込まれたのでしょう。
ミラ僕のタイミングは、Saint Snow登場の直前でした。Saint Snowにとってアニメ2期は非常に重要な意味があります。
Saint Snowの登場の予兆、下準備のようなものとして組み込まれたと考えています。
逆にEDの2曲はなぜなかったのか。これは
EDだからです。
EDというのは物語の終わりを意味します。今までのライブでは、ライブの終わりを予感させるタイミングでこれらの曲たちを披露してきました。
しかし、今回のライブでは終わりを予感させる曲は必要ありません。なぜなら、劇場版のライブだからです。
Aqoursの劇場版は終わりではなく、私たちに先の希望を与えてくれるものでした。そのライブにEDの2曲は必要なかったのです。
そしてもう1つ印象的だったのは、ライブ冒頭のメンバー紹介時のBGMです。これまではほとんどの場合「Main theme of Lovelive! sunshine!!」でした。しかし今回は違いました。
恐らく「想い出を飛ぶ紙飛行機」だったと思われます。非常にしっとりしていて、感動を呼び起こすBGMでした。このBGMからも、今回のライブは劇場版の流れを完全に再現しようとしているのが容易に想像できます。
そして今回、最後のメンバーコメントのタイミングもやや早かったように思います。それも、劇場版の「Next SPARKLING!!」のように、美しい終わり方を実現するための演出の1つだったのでしょう。
実際、BD全巻購入特典の3曲の後の、劇場版回想から続く「Next SPARKLING!!」の流れは非常に美しかったです。
〜まとめ〜
今回の5thライブは、このライブ1つで1つの物語を紡ごうとしていました。それを実現するために、前準備やセトリなどその他多くの準備と思考が凝らされていたのです。
そしてそんなライブを目指していたのは運営だけではなく、私たちラブライバーも同じでした。一部の有志から、少しずつ広がり会場一面に作り上げられた「虹」
「ラブライブ!サンシャイン!! The School idol Movie Over the Rainbow」
その名にふさわしい景色を、Aqoursに見せることができました。
しかしAqoursはそれ以上のものを私たちに届けてくれました。最後の杏ちゃん、全力の
「Aqours!!!」
に今回のAqoursメンバー全員の想いの強さが込められていると感じました。
今回のライブは今までの中で1番「みんなで叶える物語」が体現されたライブなのではないかと思っています。私たちも含め、みんなで作り上げたライブは最高なものになったと思っています。
今回の構成には、ネットを見ると賛否両論が見られます。しかし私は、劇場版ベースのライブであるという事実を踏まえる限り、これ以上ないものになったと思います。
劇場版の雰囲気、メッセージを伝えるにはこのような構成が必要不可欠だったのです。
ここまで読んでくださりありがとうございます。次回はちょっと、私のこれまでのブログとは少し外れた内容を1つ書こうと思います。ではまたお会いしましょう。
ありがとう Aqours
ありがとう Saint Snow
ありがとう ラブライブ!
ありがとう ラブライブ!サンシャイン!!